伊勢新聞

2022年9月19日(月)

▼G7広島サミット(主要七カ国首脳会議)に合わせて開く閣僚会合のうち、交通大臣会合を志摩市で開く。伊勢志摩サミットに続く快挙。一見勝之知事は「本当に光栄。県を挙げて対応する」と述べた

▼伊勢志摩サミットも、当初は関係閣僚会合の誘致だった。「官邸からをサミット誘致に切り替えるよう示唆されたそうだ。三重県で決まりだな」と、やはり立候補していた浜松市の市長が、決定前の記者会見で鈴木英敬知事(当時)から聞いた話として語っている

▼その記事を見た数日前の共同通信加盟社論説委員会議で、講師の元共同通信編集局長に県の可能性を質問したが一蹴されていた。当時の安倍晋三首相の思いと、首相との太いパイプを持つ知事との関係が、最後に名乗りを上げながら異例の成功になったと見られる

▼交通相会合誘致を一見知事が表明したのは昨年12月17日。知事は国交省出身者として「これまでの人間関係をフルに活用して誘致したい」と頼もしく宣言した。15日に「交通大臣会合が高松市で開催見通し」の一部報道がネットに流れるなど、伊勢志摩サミットと同じ経緯をたどり県内開催が決まった

▼「県を挙げての対応」が再び始まるか。サミットの時は時の副知事が協賛金を大量に集めた。世界祝祭博の時は入場券が関係団体・企業に大量に割り振られ、幹部が買わされた。東京五輪を巡る汚職事件が拡大し、国家事業が金とコネで決まっていることが明らかになっていく

▼伊勢志摩サミットも少なくともそのことを感じさせていた。交通相会合はそうであってほしくはないと願う。