▼逮捕直後は当事者の上司が会見し、一日置いて市長の登場。定例記者会見がたまたまその日だからからか
▼津市の前葉泰幸市長は、ボートレースのテレビ広告発注に絡み逮捕者を出したことに「昨年に続き、本当に申し訳なく思う。公正公平な職務の遂行ができず、組織として統制ができていなかったことは、組織のトップとして反省する」
▼「昨年に続き」とはむろん元自治会長に便宜を図っていたとして元職員が逮捕されたこと。市役所ぐるみとも見られたが、あの時も「組織のトップとして」陳謝した。関係するスナックママからチョコレートをもらい続けていたが、謝罪は監督責任に限定したものだった
▼今度は、本人の責任が極めて大きいのではないか。先の事件で顧問弁護士が調査した報告によると、元自治会長につけ込まれるきっかけは、市政に対するクレームが的確だったことがあげられている。しかし、それを受けて前葉市長が組織・機構を改めたのは警察官を採用して内部統制室を組織し、市民の指摘や注文を閉め出すことだった。人権部門の暴走が諸悪の根源だとして、権限を縮小した
▼付け込まれるお粗末な市政執行、事務の不手際、特定の業者、市民との癒着などは点検も、見直しもしなかった。県の例を見ても、贈収賄事件は連続して発生する。最初の事件で捜索した結果、別に引っかかる事案が見つかるからだ
▼警察当局にとって津市は〝宝の山〟に見えたか。市は県警OBの内部統制担当理事が講師となり、職員の緊急研修をするという。古巣の情報収集をさせた方が効果あるかもしれない。