2022年9月10日(土)

▼自民党が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と接点があった所属国会議員は179人だったと発表した。うち、氏名公表は121人。祝電送付や関連雑誌へのインタビュー記事掲載など関わりが浅い例は非公表という

▼関連行事に祝電をおくったことを認め、関係を見直すと語った外務政務官の吉川有美参院議員も、県議会などで知事時代に祝電をおくったとされる内閣府政務官の鈴木英敬衆院議員も、氏名公表分には含まれていなかった。まことに―ご同慶の至りである

▼共同通信調査にはほおかむりしていても、党には報告しているのか、知らぬ顔の半兵衛を決め込んでいるのか、党の発表でも不透明なのは鈴木議員にとって不本意のことかもしれない

▼祝電送付だけて「関わりが浅い」と同党が判断したのは、結婚式や記念大会の祝電の扱いをみればわかる。まず主賓のあいさつ、来賓の紹介に続いて祝電の披露となる。電文が読まれるのは最初の1人か2人。「あとはお名前だけご披露させていただきます」となる

▼十把ひとからげ。重要人物でもなんでもないが、歌舞伎や寄席に例えれば、おはやしにあたろうか。芝居や演芸を観客に受け入れやすくする雰囲気づくりに欠かせない。いわば舞台回し。詐欺で言えば「仕込み」

▼主賓、来賓、祝電が一体となって観客を幻想の世界に導く。関連団体に祝電をおくった中川正春衆院議員は旧統一教会関連団体という認識はなかったという。自分の名前の使われ方に関心はないのだろう

▼これも、売名が一番の関心事である政治家の習性を突かれたものに違いない。