▼県議会の前野和美議長が代表者会議で、旧統一教会関係団体との関わりを認めたが、やりとりはなかなかに難解だ
▼関係団体の行事に出席していたかを問われ「議長として関わっていない」。さらに問われて「依頼を受けて政治家として顔を出したりしたことは現実にある」。一見勝之知事が鈴木英敬前知事の祝電問題で「県庁として対応したものではない。あとは政務での対応ということ」という論法が参考になっているか
▼あるいは出席が議長就任前のことだからと言いたいか。そう言ったのでは議長就任前ならいいのかと突っ込まれてしまう。「議長として」「政治家として」、さらに「議員として」など、いろんな定義を持ち出すのは、ものごとをうやむやにする時の常とう手段でもある
▼具体的な関係についても「議長の立場としては明らかにするつもりはない」。が、自民党の調査には「政務活動として明らかにしたい」。議長では行動した覚えはないが、党員として問われれば言いたいことはあるということか
▼今後の関係性を問われ「信教の自由もあるので明言する必要はない」。同教会関連取材を別の議員が拒否したとされることは「個人の活動。議長としてただすのは不適切」。その県議の記者を威圧する言動が指摘されたことは「(政治倫理条例に)違反した根拠はない。被害を与えたことも明らかでない」
▼なかなかかたくなだ。吉田兼好は『徒然草』で友にしたくない人の3番目に「病無く身強き人」。人の痛みが分からない人の意味だが、前野議長は人一倍、人の痛みが分かる心境かもしれない。