▼新型コロナウイルス感染者の全数把握について、一見勝之知事が「保健所業務が逼迫(ひっぱく)している。必要ないのじゃないか」と言ったのは18日の定例記者会見。全国知事会にそう意見具申したとも言っていたので、真っ先に見直しを名乗り出るかと思ったら、見送った
▼知事は例のごとく姿を現さなかったが、県の患者情報プロジェクトチームが「メリットとデメリットを抽出し」うんぬんかんぬんと、こちらも例のごとく、分かったような分からぬようなことを言っている。いや、マッチポンプと言っているのではなく、褒めている。過ちて改むるにはばかることなかれ(孔子)だ
▼知事は24日には「医療現場の負担軽減や患者が適切な医療を受けられることが重要であることから、一律の全数把握を緊急的に緩和することは必要」と軌道修正を図っていたらしい。愛知県が継続の動きで、岐阜県も見直しに慎重姿勢。県だけ緩和するわけにもいくまい
▼全数把握は必要ないと全国知事会に申し出たことについて、知事は「それは県のスタンスということ」と解説し、全数把握をやめた場合の対応について「定点観測というのはあり得るんじゃないか」と踏み込んだ。「全部を調べなくても、一定のところを調べると大体全体の傾向は見えてくる」
▼「ただ、そこはエビデンスが必要」という。証拠、根拠である。統計学的アプローチをしている医療関係者の意見を聞き、国が決める手順を示した。次回からこういう場合、まずエビデンスをきちんと確認して県のスタンスを決め、公に物申す順にした方がいい気がする。