2022年8月29日(月)

▼一向に減らない1日当たりの新型コロナウイルス感染者数について、県の患者情報プロジェクトチームは「感染者数は依然として高止まりの状況にある」。この2年強のコロナ禍で感染者数が10万人に達したのが7月20日。それから1カ月強で20万3264人。「高止まり」のひと言でくくるにはあまりに軽くないか

▼「高止まり」は、デジタル大辞泉によると「相場や価格などが高値のままで下がらない状態」。失業率などにも使われ、グラフなどの統計数字の見立てに用いられる。「頭打ち」がこれ以上増えないことを意味するのに対し、「高止まり」は減らない状態という

▼コロナ感染が命に直結したころや、感染者数が急上昇や急下降を示した第6波までは見た記憶がないが、8月に入って目立つようになった。「一喜一憂できず」「下がっているように見えない」と一見勝之知事も言っていたが、BA・5対策強化宣言発令に迫られ、東海3県の共同メッセージに使われ、県は「高止まりの状態」を多用するようになった

▼最近では23日に用いたが、その前の18日と直後の24日に感染者数は過去最多を更新。にもかかわらず、26日に「依然として高止まりの状態」。減らないどころか、安定的に推移しているようでもない。一定の状態が継続する相場や価格と違って、毎日毎日、一から数えている新規感染者の状況を県民に知らせる言葉として適当かどうか

▼「高い水準を依然維持」の方が県の対策の効果も伝えて的確な気がするが、もっとひどいことになっていたと言うのかもしれない。