▼立憲民主党の松田直久元衆院議員が記者会見を開き、政界引退を表明するとともに、経緯を説明している。前回衆院選後まもなく党に引退を伝えたが、今夏の参院選を踏まえ、この日になったという
▼参院選では、現職の芝博一氏の動きが一向に表立って見えず、後継候補の決起集会であいさつする写真からは生気が抜けていた。国民民主党との調整や共産党との距離などとは別に、内部的にも一丸となる態勢は築けていなかったのではないか
▼人事刷新の目的の一つが人心一新である。立憲の人事は、その意味で狙いが徹底していなかったのではないか。同県連の津市の事務所では、現体制後も長く前代表の枝野幸男氏のポスターが中心を占めて、現執行部は脇役的扱いだった。枝野氏の姿が消えたのは参院選が迫ってからだ
▼旧民主党、同民進党時代から、その人事は首をかしげることが多かった。岡田克也氏が代表を務めていたころでも、壇上の執行部に女性が一人も入らず、内部の調整を優先するあまり、国民からどう見られるかはあまり気にしていないのではないように思えた。かつては鳩山由紀夫、菅直人、小沢一郎の3氏が順繰りに代表を務め、日替わりメニューと皮肉られもした
▼今度の党役員人事では、参院選敗北の責任は不問にし、ただ一人の女性役員である西村智奈美幹事長を交代させ、岡田克也常任顧問を起用するという。共産党を含む野党結集論者だが、県内でも国民民主党県連は次期衆院選候補の擁立を目指すという
▼つなぎ止めることができるか。復古調のイメージ一新とともに、責任は重い。