▼南伊勢町が元職員の病院事業と水道事業会計での公金横領事件で町長と副町長に、なぜか教育長も加え、管理監督責任として給料減額案を議会臨時会に提案し可決された。併せて平成29―令和4年度の病院長と病院事務長、病院総務係長、上下水道課水道係長計八人も減給、戒告の懲戒処分にしたと発表した
▼発覚当初、告訴を検討としていた元職員は告訴しないまま懲戒免職処分にしたが、今回も管理監督責任の中身があいまいのまま、みんなまとめて減給などの懲戒処分にした。中身については弁護士による個別外部監査の契約を随意契約で締結する予定で、そのための条例改正案を議会に提案し可決した
▼まず全容解明を最優先にみたいな話だったが一番後回しにして、とりあえず幹部らの処分で町民の不信のガス抜きをし、事実確認はゆるゆるしていこうということか。病院出向前の上下水道課で「少なくとも500万円以上」着服としていたが、1カ月後のこの日の発表では約1250万円。「少なくとも」はこの種事件の当局の姿勢で、事実が倍以上になるのも珍しくない
▼随意契約にするのは融通の利く弁護士がいるということか。平成29―令和4年度の病院長らを懲戒処分にしたのはまだ現役の職員だからということだろう。期間中のほとんどを町長として町政を担当した小山巧前町長は〝無罪放免〟
▼県職員時代は総務畑が中心で県益よりルール、規則を優先するタイプだったが、その能力が発揮される管理実務で大きな失点を残した。処分について、むろん自分は対象外と思っているに違いない。