2022年7月23日(土)

▼オミクロン株が主流となる感染拡大時は「感染拡大阻止宣言」や「緊急警戒宣言」を発令しないことにし、同時に病床使用率40%を「医療提供体制アラート」と「感染防止対策強化期間」新設の目安にしたのが6月29日。それらを全部ご破算にして、一見勝之知事は21日の臨時記者会見で独自の「感染防止行動徹底アラート」を発令した

▼病床使用率40%に達していない段階でのアラートは局面が変わり「かつてない規模で感染が拡大している」ため。そのことを「一日も早く県民に伝えた方が良い」(知事)。「幸いなことに(一日当たり新型コロナウイルス感染者が)千人を超えたのは一日だけ」(知事)だと緩めた発令基準が、2日連続の2千人超えで木っ端みじんに粉砕された

▼予定のアラート名称「医療提供体制アラート」を変えたのも「分かりやすくした」。分かりにくかったことは自覚していたとみえる。基準を緩める前の6月23日が第七波の始まりとも言う。迷走のあげくということでもあろう

▼発令に踏み切るかどうかはともかく、17人以上の感染者2日間や、30%の病床使用率など、それまでの緊急警戒宣言基準を維持し、こだわるのも一つの選択肢ではなかったか。コロナという人類未曽有の相手を前に、臨機応変に対応するのはやむを得まい

▼病床使用率40%でも発行するとした県民割はどうなるのか。40%に達しなくても停止する場合があると言ったのは先月末で、前日の会見では「63%でも止めていないところ(県)もある」。こうした節操のない発言がむしろ県民を混乱させる。