▼参院選投票率の過去三番目の低率について、一見勝之知事が「全国(の投票率)や前回の県内投票率は上回っているという見方もある」。上には上が、下には下がある。だから「上を見るより下見て通れ」は下を見て分相応の暮らしに満足することが肝心、ということわざ。座右の銘にされることで知られるが、知事もその一人かも知れない
▼6月末に新型コロナ第六波を振り返り、新規感染者が千人を超えたのは一日だけ。他県に比べ「先手先手の対応」の成果として胸を張っていた。その一週間後に「リバウンドしている」との認識を示しながらも、第七波に入ったかどうかは「第六波の最後かもしれない。まだ判断するには早い」
▼県民割の中止は「現時点では考えていない」。その一週間後の13日、1068人で、160日ぶりの過去最多を更新した。今度は何と言うか。少なくとも説明は、後手後手で追いかけているように見える
▼県の担当課長は感染スピードが「予想を超える」としながら「入院者や重症者が感染者の増加に比例して増えているわけではなく、医療体制はひっ迫していない」。入院者、重症者数を全体の増加割合と比較することに何か意味があるのだろうか。楽観知事の直後に、あまり悲観的なことも言えないのかもしれない
▼複数の高齢者施設でクラスター(感染者集団)が発生した可能性があるという。第六波で、高齢者施設のクラスターを唯一反省点とし「仮に第七波が来た場合にはしっかりと対応していきたい」(一見知事)。「六波の最後」という見方で頑張りたいのかもしれない。