▼一見勝之三重県知事と新型コロナウイルスの感染とは「あまり相性はよくない」と書いたのは1週間ほど前。感染は防げると大見えを切った直後に第6波が始まり、オミクロン株主流時は「警戒宣言」などを発令しないと決めた途端、感染者数が跳ね上がった
▼野呂昭彦元知事と父・恭一氏の親子二代にわたる大事故・事件への高い遭遇率を引き合いに、人固有の運命に触れた。むろんジョークのつもりだったが筆の拙さ、野呂元知事からは本気でひんしゅくを買ったようだ。一見知事はまさかそんなことはあるまいが、「警戒宣言発出せず」と表明して1週間で「リバウンドと認識」せざるを得なくなった
▼予言が的中したようで恐縮し、改めて触れるのは控えたが、「発出せず」の表明とともに、県が実施したのは新型コロナウイルス対策指針「みえコロナガード」の変更である。2日連続17人の基準は適用できくなり、気づいたのは「病床使用率というのはもう一つの指標」(一見知事)。同40%を「新たなアラートとして使わせてていただく」(同)
▼基準が現実に合わなくなった時、基準の方を変えるのは当然である。飲食店の時短要請も、国に見直しを求めているそうだ。667件の公文書を条例に違反し破棄した問題で、職員の処分について、一見知事は「その時々の気分でやるようなものではない」「基準や前例に従わなければならない」。いわゆる前例踏襲で実質無罪放免らしい
▼コロナには通じぬ措置だが「知事の厳重注意は重く受け止めると思う」。前例は、ほとんど効果がなかったことを示している。