▼選挙の時期になると、三重県議会議長を務めた上野一人氏の言葉を思い出す。「4年間の活動を有権者に試験してもらうのが選挙だ」というのだ。「採点結果で得たことで次の4年間の勉強に励み4年後、また試験を受ける」
▼日本の針路を問う国政選挙とはまた違うかもしれないが、有権者を投票行動に誘うのは、針路もさることながら普段の活動に負うところも大きいのではないか。コロナ感染が収まらず、安全保障のあり方など針路の課題は重く、物価値上げによる社会不安は高まっているのに参院選が盛り上がらないとされるのはなぜか。政治に魅力がなく、期待を裏切られ続けてきたことを物語っていまいか
▼動画投稿サイトのユーチューブを65%の候補者が利用しているという。格段の利用率だそうだが、コロナ禍で当然の流れではあろう。ネットに特化した政党も出てきてはいるが、利用形態の多くは一方通行ともいう。魅力的発信は少ないのではないか
▼ネット活用の主な狙いは若者へのアピールと言われる。その若者の選挙離れが進んでいるのだから、効果のほどは心もとない。それから、県選挙管理委員会の啓発活動。いつもより低調の気がする。こちらも効果を検証し、次の選挙に生かすなどの取り組みはほとんどなく、自己満足な活動に終始していたが、実績の見えない事業に、大幅な予算削減の大なたでも振るったか
▼報道機関の持ち回りのお役目で選管啓発委員になったことがある。財政ひっ迫のあおりで継続事業が統合縮小された。財政難の前には民主主義の根本も聖域ではないということだろう。