▼膠着(こうちゃく)状態ということか。21日の記者会見で一見勝之知事の新型コロナウイルスの見立ては「小康状態」「下げ止まり感」。26日の県患者情報プロジェクトチームの分析は「下旬に入ってから下げ止まり状態」とした上で、増加に転じたかどうかは「現時点では分からず、しばらく状況を見極める必要がある」
▼知事の見立ては19日現在の数字が根拠。新規感染者は145人で、数は二日連続で前週の同じ曜日を下回ったが、知事がこのところ指標にしている病床使用率は三日ぶりに10%を上回った。それでも知事は「低い状況」として、感染者数が五週間ほど前週の同じ曜日比で減っていることを強調。ただし、前日が上回ったことについては「結果において増えてますけども、前の週がかなり低かった」
▼減少イメージを振りまきながら「下げ止まり感」をあげるのは「百人をなかなか切らないから」。対して、25日は178人、26日が182人。「切らない」どころか200人に近づいている。コロナ禍三年目。夏場に上昇するのは初めてではないか
▼県は七、8月に四回目のワクチン接種を設定したが、7月に接種希望者が増える傾向に備えるためらしい。国にワクチンを請求するのではなく県の在庫を使う。県在庫の有効期間は9月。まだ余裕はあるが、9月の感染状況は予想できず、そろそろ使っておこうという感覚か
▼マスクの着脱について県に指針を出す気がなく、国任せにするというのが先の議会答弁。コロナの動向と県の対策の動きは、少しずつズレ始めてきているのかもしれない。