伊勢新聞

2022年6月18日(土)

▼マスクの着用緩和について「県独自の指針を出せないか」と、県議会一般質問で一見勝之知事に廣耕太郎議員。それは無理だ。「私の言う通りにすればコロナは防げる」みたいなことを言ったのは第6波前だが、結果は散々。思えば、恐れを知らなかった

▼で、大体の人は、アツモノに懲りてナマスを吹くことになる。知事も例外ではないだろう。「マスク着用の必要性や有効性について正式な見解が出るには時間がかかる」とコロナ禍3年目にして決着のついてない話を持ち出し、にもかかわらず「マスクをしていない成人式やマスクができない施設で感染が広がった例もある」。外すと怖いぞと言うわけだ

▼「科学的、医学的な根拠に基づき、専門家の意見を踏まえて国で決めてもらう必要がある」。国に丸投げして追随するのが一見流で、何もコロナだけのことではない

▼子どもが「マスク依存症」になり、発達や成長の弊害になっていることを指摘されても、知事は「マスク着用が不要な場面を子どもたちに紹介する」と、国の指針の伝道者たらんとの意気込み。「マスクを絶対にしたい人の気持ちも大切にする」と付け加えることも忘れない

▼依存症は助長する気に違いない。マスクやアクリル板が目立つのは日本で、海外では換気が主流という。国のマスク緩和指針に反応が早かったのは高齢者。マスク着用も早かったが、屋外で外している姿が目立つ

▼着用率が高いのが当初マスクをしたがらなかった高校生以下。若年層に「マスク依存症」が広がっているというのはなるほどという気がする。知事も、お若い。