2022年6月16日(木)

▼遣唐使をもじって「検討使」が国会での岸田文雄首相評で、「検討おじさん」はネット上での同首相の異名。鈴木英敬前三重県知事は「子ども条例の見直しの必要性を検討する」と答弁し、やはり「その通りには取り組まれていない」と県議会で杉本熊野議員

▼「検討」の使い方が国と県で違うことは以前書いたことがある。「国は先送りややらない時に『検討』を使うが」と県幹部が言って「県の場合は、検討と言えば着手する」

▼違和感を感じたのは官僚出身の鈴木前知事の就任からで、国方式に近い。杉本議員によると、こども家庭庁発足でこども基本法を成立させる国の方が取り組みは進んでいるらしい。官僚であることでは前知事より筋金入りの一見勝之知事は「国の方向性も踏まえながら、どんな改正ができるのかを議論したい」

▼改めて「県子ども条例」改正の方向を示した。もちろん「検討」の言葉の使い方とは何の関係もない。一見知事が「検討」をどう使うかは記憶にないが、「調査」とか「究明」は節目に使う。県議会の議決なしに看護大受験料などを引き上げた問題で、関係職員の処分について「まずは原因を究明しなければ」

▼県債の返済が一日遅れになった時も「まず原因究明をしていかなきゃ」。結果の報告はないから、国の「検討」の使い方と同じなのだろう。財政調整基金の41億円積み忘れの時は「説諭処分」を使った。県の資料に「勧告」などとともに「説諭」の説明があるが、第三者への行政指導の言葉。弁護士のブログに「説諭は処分ではありません。単に説教という意味」とあった。