▼食品ロスの削減と生活困窮者への支援を両立させる食品提供システム「みえ~る」を運用して10カ月。約5・3トンがシステムを通じて子ども食堂などに提供された。県議会での答弁
▼県の令和3年2月の食品関連事業者調査によると、可食部(食品ロス)の廃棄状況は約4万6千トン。食品の提供と受け取りの連絡調整役を果たすというシステムの出だしはどうか。気になるのは答弁が廃棄物対策局長だけだったこと
▼システムの所管は、筆頭が環境生活部で、その外局となる廃棄物対策局が続く。質問した山内道明議員は、福祉の心につながることでシステムを評価したが、県の仕組みに子ども・福祉部の出番はない。いうまでもなく、子ども食堂は子ども・福祉部の所管だが、フードバンクは環境生活部。共管はない
▼廃棄物対策局長の答弁はロス食品の提供先がフードバンクで、そこからの提供が子ども食堂で、その命綱なのだろうが、質問した福祉との連携の現状と展望について、答弁は明確ではない。可食部(食品ロス)をフードバンクに搬出で完了という意識が感じられなくもない
▼コロナ禍で、子ども食堂の現状は大きく変わった。スティホームの影響で運営が困難になる食堂がある一方、非正規雇用の打ち切りで困窮家庭が増加し、以前の3、4倍の利用者が押し寄せる。貧困というレッテルの引け目から利用しにくい人々もいる。弁当配布などで当面をしのいでいるが、需要拡大の予測と交流の復活をめざし、食材、保管場所の確保など、新たな課題に直面している
▼福祉部門の答弁が聞きたい問題である。