▼春の全国交通安全運動(4月6―15日)の交通死亡事故はゼロで、5月中の死亡事故もゼロの記録が中断された。三重県津市桜橋の信号交差点で、左折するダンプカーに自転車が巻き込まれ、乗っていた中1男子が死亡した
▼過失運転致傷の疑いで逮捕された(同致死に切り替え方針)ダンプカーは容疑を認めているという。大型車が最も気づきにくいとされる左折時の巻き込みに50歳の職業運転手が陥ってしまったのはなぜか。調べが待たれる
▼春の全国交通安全運動期間中の指導取り締まりは4750件で前回比364件増。シートベルト非着用、速度超過、一時不停止、携帯電話使用の順だった。山上武彦交通安全対策室長が「歩行者や自転車の事故が昨年より増えている」と講評している
▼県警は自転車安全対策強化日(セーフティー・バイシクル・デー=S・Bデー、毎月第1月曜日)の5月3日、自転車利用者に対して安全利用を呼びかける街頭啓発活動をし、四日市南署は自転車月間の同23日、自転車利用者ら約150人に交通ルールの順守や交通マナーの向上を呼びかけた
▼50代男性が「進路変更などに注意しながら利用している。時々見かける学生さんたちの並列走行は怖いですね」と話していた。車を運転する側としても、交差点や脇道から本線へ、ノーブレーキで飛びだしてく自転車は怖い
▼大型自動車の死角と、警戒を募らせていた自転車運転が不幸にして重なったということか。コロナ禍明けの兆しが見える中での死亡事故ゼロの中断。より一層実のある啓発、交安教室が求められる。