伊勢新聞

2022年4月25日(月)

▼東海3県のテレビ知事会議で、大型連休での3県をまたぐ移動自粛を共同メッセージに盛り込まなかった理由について、一見勝之三重県知事は「コロナとの戦い方を十分に分かってもらっている」。対策を進めて、もっとも分かっていたはずの学校や福祉施設、高齢者施設の新規感染者数の割合が第5波に比べ多くなっているのに

▼高止まりという中で、その他の領域の絶対数が第5波より減っているということでもないのだろう。3知事で受け止め方に温度差もありそうだ。古田肇岐阜県知事が「第7波の入り口」という現状認識で、大村秀章愛知県知事が「(過去2年間)連休後に感染者が増えた」

▼一見知事は「9日連続で前週の同じ曜日を下回った」「(派生株に)置き換わるだけ感染力が強くなっているとの話もあり」として「気をつけなければならない」。アピール力としては愛知、岐阜両県知事ほどではあるまい。3県以外への移動に特に言及がないのは、まあ以心伝心でということか。大型連休の観光客増に期待する商店主が、その前にと先日、沖縄旅行を試みた

▼レンタカーを借り切り、混雑は避けて「海ばかり見てきた」と笑っていた。むろん、コバルトブルーは沖縄の代表的な観光資源である。秋篠宮ご夫妻来県が車の移動だったことについて「配慮いただき感謝したい」と言った一見知事だが、車移動を県民に呼びかけるには鉄道業者へも気をつかわねばならぬ事情もあろう

▼「大型連休中に再び県民に対策を呼びかけることもある」とも。後手後手と言われてきたコロナ対策。先手に回る気はなさそうだ。