伊勢新聞

2022年4月21日(木)

▼松阪市の中部台運動公園内にある県立みえこどもの城のドームシアタープラネタリウムがリニューアルオープンする。コロナ禍で閉館に追い込まれたりしたが、次世代に向けて着実に施設の充実が進んでいるらしい。一見勝之知事が「子どもたちにとって夢のある話。新しい知識に触れて知的好奇心を持つきっかけにしてもらいたい」

▼新プラネタリウムは4K解像度に対応した最新の投映機を導入し、星の数は1万5千個から1億個に増やし、新たにオーロラも表示できる。座席数はコロナ対策で220席から160席に減らしたが、親子用のベンチシートや車いすの階段昇降機、授乳室、ベビーカー置き場を新設。写真で見る内部はカラフルですっきりしている

▼こどもの城は昭和60年の国際児童年を記念して国が東京・青山に児童厚生施設として設置したのが始まりで全国に同名の施設が普及した。県も津市と松阪市が激しい誘致合戦をした後、松阪市に平成元年オープンした

▼国は観客数が減少して平成15年、老朽化を理由に閉鎖。県も同様の傾向で、薄暗い館内に人の出入りはほとんどなく、存続が危ぶまれていたが、国が閉館した年に逆に内装・機能を再整備し、リニューアルオープン。実質、関連団体に丸投げ状態だった運営を、新統合団体にしたり、指定管理者制度を導入したりし、同20年に県に「こども局」を新設するなどで徐々に改善。発足時の賑わいを取り戻し、定着している

▼国が再び児童施策充実にカジを切って「こども家庭庁」を創設するのは大きく遅れて来年4月。先行を生かしたい。