▼児童虐待相談件数が増え続けていることについて、三重県子育て支援課は「コロナ禍で虐待の現場を発見しづらいという懸念がある。学校や警察などとの連携を強化し、虐待の未然防止に力を入れていく」
▼いつぞやコロナ禍での児童虐待の懸念について県は「そう目立った現象はない」などと報告し、専門家らから「調査不足」の指摘を受けた。多少、反省したか
▼本紙「まる見えリポート」が、令和元年に亀山市で発生した当時6歳のブラジル国籍男児が同居のメキシコ国籍男性に暴行され死亡した事件を詳報していた。男児は在留期限切れで住民登録が抹消され、幼稚園に通っていなかった。行政は男児の存在を知らず、「アパートのベランダに子どもが出ているので、気にかけてほしい」と市への通報があったが、家族構成も把握せず、児童相談所への通告もなかった
▼平成22年、鈴鹿市で6歳の児童が母親の同居男性に重篤な虐待を受ける事件があった。他県から転居した5人家族で、保育園に入園したが、休みが多く退園になった。本人の情報はなかったが、顔を腫らして登校してくる姉らの様子から転居前の自治体と連絡を取り、家族構成などを把握した。家から子どもが追い出されているとの近所の通報で、自宅を訪問したが、6歳児は布団の中にいることを推認しただけだった
▼姉が六歳児への暴行を学校に訴えたが、救出はその翌日、姉の警察への通報からだった。姉らへの暴行が明らかな時、幼い子の存在をまず確認、と検証委は提言した
▼十年余を経て、よりお粗末な対応で、より深刻な事態を招いた。