2022年4月18日(月)

▼新型コロナウイルスの「リバウンド」を認める一見勝之三重県知事が、観光地の支援策として打ち出した県民の旅行代金を割り引く「みえ得トラベルクーポン」については「感染対策をしながら楽しんでほしい」。ワクチンを打ちながらの利用奨励。漫画の世界になった

▼コロナは抑えたし、落ち込んだ経済は復活させたし。いずこも同じ為政者の二律背反であり、国も3回目ワクチンを条件にスポーツ観戦などの料金を割り引く「イベントワクワク割」を発表しながら岸田文雄首相も「開始時期は慎重に。すぐに始めることは考えていない」

▼イベント関係者、利用者ともに「ワクワク」というより「いらいら」だろうが、県でも平成16年、当時の野呂昭彦知事が「今年はワクワクドキドキの年に」と言い出した。前年にRDF(ごみ固形燃料)施設爆発事故があり、CWJ(サイバー・ウェイブ・ジャパン)の減資など前県政の〝負の遺産〟処理に追われた。鳥インフルエンザの不安も増幅していた

▼一方で、アテネ五輪での野口みずき、吉田沙保里両選手の金メダルがあり、初の県民栄誉賞を贈った。県立博物館の完成も間近。状況が似ていなくもない。野呂前知事が狙いを語っている

▼工場誘致面積が日本一で、シャープ亀山工場の操業開始、東芝四日市工場のフラッシュメモリ工場建設、観光政策の充実、熊野古道世界遺産登録など「『ワクワクドキドキ』することが多くあるんではないか」。結果はご承知の通り。記者会見では「冷や冷やドキドキ」などと皮肉られたりもしたが、野呂前知事は、即座に訂正していた。