▼新型コロナ対策を徹底する飲食店を「みえ安心おもてなし施設認証(あんしんみえリア)」店に認定する認証制度がコロナ禍で十分機能しなかったか、それとも応募殺到で味を占めたか、県は今度は省エネ家電の普及に取り組む家電販売店を登録する「みえ省エネ家電推進協力店舗」制度を設けた
▼55項目の安全基準をクリアするなどの条件もなく、来店者に省エネ家電の効果を分かりやすく伝えてさえいれば、県がホームページに登録して買い換え希望者に推奨してくれる。いつぞや県厚生棟に出店していた家電業者が、出店場所の信用をもとに通信販売に乗り出して資金繰りに行き詰まり県の信用も傷つけた。議会から苦言があったが、そろそろほとぼりが冷めてきたころではある
▼認証制度でいまなお記憶に残るのはフェロシルト(土壌埋め戻し剤)事件。県はリサイクル製品として認定したが、毒性の高い六価クロムを含んだまま県内はもちろん、岐阜、愛知両県、京都府などへ販売され、全量撤去、認定取り消し、産廃指定などの騒ぎとなった。「データを改ざんされたら、県に見抜く能力はない」というのが責任を問われた県の言い訳である
▼我が国で発生したクラスター(感染者集団)の先頭集団の一つ、北海道北見市の場合、住宅設備関連展示会の会場の空調を省エネモードにしていたため、性能通りの換気機能が働かなかったといわれる。RDF(ごみ固形燃料)施設爆発事故も、RDFの性質の無知がもたらした
▼即効性や向こう受けを狙ったかのようなお手軽な施策はいつも危なっかしさを感じる。