▼県教委が教諭2人、講師1人の計3人をわいせつ行為で懲戒免職にした。久々の気がして本紙を検索したら、前回は昨年3月で、1週間おきに2件。1年という間隔は思ったより短かったが、読者の方々はどうか
▼平成30年8月にわいせつ行為の教諭ら2人を含む4人が懲戒処分を受けた記憶が鮮明だからかもしれない。まずは数の多さに、次いで事案を報告した教育長会見の議事録を読んで驚いた。問題の県立高教諭は部活動の顧問として個別指導と称し、校内で部員を膝の上に乗せたり、自宅で抱きしめて、首筋に唇を当てた
▼会見で他の生徒の被害を聞かれ、教育長は「ございません」と即座に否定した。古来わいせつ行為の代表職業の一つとされ、事案も多い教員なのに、よくぞ言い切った。抱いたのは「励ますため」で、唇を近づけたのは「偶然」と説明。「触ったのではなく、よしよしではない」が「元気づけようと足や顔を触った」と強弁した
▼唇が触れたのもその一環だとし、記者から生徒側の認識を問われ「キスされた、と」。問題発生に県教委の立つ位置がよく分かるのも記憶に残る理由。要は、原因や事実の追究に消極的で、そこから生まれる再発防止策は形だけになる
▼昨年の連続わいせつ事案で、木平芳定教育長は「コンプライアンス」「学校信頼向上」組織の設置と、アンケートの実施を表明した。効果が表れるはずの一年後に再発した。原因、事実究明は二の次で、どう取り繕うかの意識が生き続けているからだろう
▼「二度と起こらないよう」という木平教育長の言葉も空手形に終わった。