2022年3月7日(月)

▼防災や危機管理を担当する都道府県職員の男女比率を共同通信社が調べた結果、女性は10%で、内閣府が目安とした各自治体全体の男女比に遠く及ばないことが分かった。三重県の場合、職員全体の女性比率は28%で全国平均と同率だが、防災・危機管理部門はさらに下回って8%だった

▼内閣府が理由について、緊急対応業務が多く、男性が優先配置される、女性のいない職場で定着が困難―をあげている。ものの役に立たないということだろう。先の県議会で夜間の避難訓練状況を問われ、防災対策部長が、夜間は交通事故やけがなどのリスクがあり、ハードルが高いと答えていた。「円滑に夜間訓練を」とも。リスクを回避し、ものの役に立つ訓練をしようとしているのかも疑わしいが

▼県民参加型予算(みんつく予算)の包括監査では、快適な避難所づくりの県民の提案を、市町が要望する県産材活用の防災ベンチに変えて、防災対策部が会議コーナーで使っていることが報告された。「決して安価ではない防災用品ベンチは、県民の提案にも、意見にもない」と開いた口がふさがらないと言わんばかりの「意見」を述べている

▼葬られた県民の提案はプライバシー保護や障害者、高齢者、子育て特に授乳など切実な訴え多く、パーティションや段ボールメーカーとのコラボを求めていた。県民参加を名目に、自分たちの都合の似ても似つかぬものに改ざんする。いかにも県らしいが、県や市町の防災対策部門幹部に女性がいたら、結果は違ったものになっていなかったか

▼8%は県全体の女性活躍の貧困を物語っている。