伊勢新聞

2022年2月25日(金)

▼新型コロナウイルスの新規感染者が5日ぶりに700人を超えた23日、80代と90代の男性2人が前日死亡したと三重県が発表した。その日は、50代から90代の男女5人の死亡が発表された日でもある。計7人が死んだということか。一日の最多死亡はこれまで6人とされていたが、あまり好ましくないからと分散発表したか。それとも、5人の死亡日がまちまちか

▼連日、コロナ禍での高齢感染者死亡が続く。死亡時の態様についての報道はさまざま。そうじてぞんざいで実態を理解するにはほど遠い。冒頭の2人は新型コロナが死因ではないという。続く5人は全員が基礎疾患があったそう。死因はそちらとにおわされているかのよう。うち2人の感染は死亡後に判明した。7人全員の死亡場所は分からない

▼医療機関でコロナのために死亡したとの報はある。当初軽症だったが急変したなどという。入院は何か。別の疾患か。受診してコロナと診断されたためか。救急搬送されたというのも別にある。さらに高齢者施設での死亡。介護施設からの救急搬送後というのも。自宅療養組か入院調整組か。コロナと分かっていながら救えなかった命ということか

▼14日の80代、90代の2人は自宅療養中だった。救急搬送が間に合わなかったケースだろう。5千人超の自宅療養者との連携が万全かどうか。ひずみが高齢者にしわ寄せされているのではないか

▼第5波で問題の多い精神病院から感染者を受け入れた精神科医療の専門病院、都立松沢病院院長が「社会のひずみが精神医療に表れている」。高齢者にもまた―。