伊勢新聞

大観小観 2022年1月26日(水)

▼津市自治会問題で、関与したとして処分された職員155人。議会百条委員会も「多くの議員が関与していたことは誠に遺憾」と報告。うち五議員に辞職勧告決議案が出され、一議員が可決された。むろん法的拘束力はなく、昨年末の本紙企画『一年を振り返って』は「審判は年明けの市議選で有権者が下す」

▼23日のその市議選で、辞職勧告が決議された一議員をはじめ、否決だった四議員もそろって当選。決議に賛成討論をした議員は落選した。いい加減極まる津市政を巡っては前々日、草刈委託費を詐取したとして業者が検察から五年求刑されている。官尊民卑はここにも見る思いだが、県で初めて幸福実現党議員が誕生した。多少の変化か

▼選挙カーをすべて追いかけたわけではないが、「誰に見られても恥ずかしくない政治を」と言い続けていたのは同党候補だけだったのではないか。選挙公報でも大きくうたっていて、自治会問題への批判と受けとれた。ほかには多数の公約の一項目として「特定自治会長問題などの不公正の根絶」と明確に書いたのは共産党現職だけ。「公平公正な市政と議会」と掲げたのは無所属の元職

▼前者は落選、後者は当選だったから、これも一概には言えないが、幸実党新議員とともに何度も落選を経験している。地道な日常活動にプラスアルファがあったと考えたい。日本維新の会初めてとなった新津市議も、津市政、議会は「市民にとって正々堂々としていますか。公平・公正ですか」と問いかけていた。合併以来最低の投票率とともに市、議会とも深く考えねばなるまい。