▼中川正春衆院議員が立憲民主党三重県連代表に就いた昨年12月18日、次期参院選の候補者選考について「できれば年内に」。同日、国民民主党県連は年内擁立は困難との見方を示し、金森正代表は「日にちを焦るより、土俵づくりを重視したい」
▼得心できなくはない。平成元年参院選の公示数日前に連合三重が擁立した無名の新人が時の農水政務次官の現職を倒したのは特例としても、労組が機関決定に手間取るのは通例で、その代わり、決まりさえすれば組織の末端まで浸透するのは早かった
▼夏の参院選に向けて、自民党の立候補予定者、山本佐知子氏のポスターがあちこちに貼られている中で、野党側が擁立する候補がようやく決まった。遅速はこの際問題にならないにしても、立候補を表明した芳野正英元県議は早くから名前が挙がっていたにもかかわらず、国民民主側は昨年末「全くの白紙」とし、立民側のねらいをことごとく否定してきた。今回仲良く推薦するというが、土砂降りの雨によるぬかるみが固まったかどうか
▼参院の議席をかつて自民が独占していたのは、野党側が旧社会党公認候補で、労働界では県労協(旧総評系)単独支援だったことが大きい。連合に統合されて、自民の一角に風穴を開け、民主党政権の追い風で、2議席独占も果たしたが、いまや一議席死守が風前のともしび
▼連合三重も、かつての〝不敗伝説〟は色あせ、結束の合い言葉より不協和音が目立つ。離合集散は労働運動のならい。労組離れの中で結束のメリットが失われるとともに原点回帰の風が吹き荒れていなければ幸い。