伊勢新聞

2022年1月13日(木)

▼県は、新型コロナウイルス対策指針「みえコロナガード」に基づく第二弾、感染拡大阻止宣言を発令する。八日に第一弾の感染拡大防止アラートを発動して四、五日で第二弾へと追い込まれることになる。一見勝之知事は「感染拡大阻止宣言を出す事態になっているということを県民には認識してもらいたい」

▼短期間の相次ぐ発令では、さて、それに応じて認識が切り替わるものかどうか。第五波で長期に及んだ国の緊急事態宣言は、宣言慣れ、自粛疲れを招き、効果に疑問の声が流れた。解除はそのためともいわれたが、効果の見えないまま目先を変えるかのような矢継ぎ早の対策変更も、気持ちを新たにするには難しい気がする

▼アラート、阻止宣言と名前は勇ましいが、対策はマスク、手洗い、三密回避、会食、県外移動自粛など、第五波の呼びかけと変わるところはない。うち、複数での会食、県外移動自粛を除く対策は、ほとんどの県民がその後も維持している。認識を新たにする余地は少ない

▼知事の「他県に比べると県内の感染者は少ない」という認識は、どこからくるのか。東海四県では最少だが、中部七県となると微妙。全国比では低位だが、第五波も当初は他県に比べて少ない感染者で推移し、まだまだと言い続ける間に急増へ駆け上った。いつか来た道を思わせる

▼「オミクロン株の感染力は非常に大きい」と言いながら、11日発表分の八人の感染経路から、県外由来で「県内で市中感染が発生した段階にはないと考えている」。第五波の二の舞を見る予感に、おいおい大丈夫かいと言いたくなる。