令和3年4月より、三重県四日市市の三井住友海上火災保険三重支店長に就任。また、同6月より愛知、岐阜、静岡、三重を管轄する日本損害保険協会中部支部の三重県会長を務めている。
故郷である愛知県阿久比町で幼少、青年時代を過ごし、兼業農家だった実家の手伝いを日頃から行ってきた。風呂を沸かすためのまき割りや、自宅で営む養鶏場の卵を町の問屋に売りに行くなどを経験。「生きていくため」という思いを常に持ちながら、ふるさとの原風景の下、豊かな自然と父母を恩師に育ってきた。「自家製野菜は虫を取って食べるのが当たり前。野山を駆け回って過ごしていたのでサバイバルな環境でも生き抜く強さが備わったと思っている」と笑顔を見せる。
大学卒業後、旧三井海上(現三井住友海上)自動車営業部の担当者として各地域のディーラーとともに自動車保険販売のサポートに従事。車の販売に伴い、保険を販売するという流れの中、お客さまに安心安全を提供することを心掛け、「お客さまにとってどうか」、「地域に貢献できることはないか」ということを常に模索する日々だったと振り返る。
ホームセンターと担当するカーディーラーとを結び付け、駐車場を使った新車の展示販売を開催するなど、地域や企業、ひいては「人」をつなぐ企画を行ってきた山本さん。
現在に至るまでの間、さまざまな業種の顧客を担当してきた中で、保険業務のあり方は「多様なお客さまをつなげる」ことだと話す。
三重自動車営業部長として三年間の勤務を経た後、三重支店・三重自動車営業部の統合が行われた今年、同社三重支店長に就任。セクションの変化や担当分野の統合の中、三重県におけるマーケット全体のネットワーク・つながりをより強く感じるようになったと話す。
単身赴任11年目、三重県での生活が4年目となる現在、県での暮らしを「海、山の豊かな自然があり食べ物もおいしい」とし「街も一極集中しておらず、各地域それぞれの魅力がある、そして何よりそれらが育んできた『人』に温かみを感じる」と笑顔を見せる。最近はコロナ禍で始めた「ハンモックキャンプ」を新たな趣味とし、自然を堪能しているという。
支店長に就任した今もなお、入社当時から持ち続けた「地域に貢献できる仕事」をしたいという思いは強く、営業時代の経験を生かし、人と人のつながりに注目しながら地域の課題を解決できるよう取り組みたいと話す。
現在は、事故の無い快適なモビリティ社会の実現に向け、緊急時の自動通信機能や過失割合の算定だけでなく、安全運転診断の機能をつけたドラレコ型自動車保険の積極的な普及を進めるなど、さまざまな角度から保険会社としての新たな「価値創造」に取り組んでいる。
また、三井住友海上を含めた会員会社28社が所属する日本損害保険協会の三重県協会会長も務める山本さんは、協会長としての心掛けについて「自社の売上だけでなく、業界全体、そして何よりも社会貢献を意識することが大切」だと話す。会員各社との「競争と協調」を意識し、業界全体で社会の課題に取り組むことで、より安心できる社会の実現を目指している。
「保険はお客さまを支える社会インフラとしての機能を持続的に発揮していく必要がある。各社と協力しながら地域の皆さまに安心していただけるようにしなければならない」とし、現在も自治体や各商工会との包括連携を進めているほか、協会として三重県警に交通安全チラシ(3万部)と啓発動画を寄贈。また、今年10月から義務化された自転車損害賠償責任保険加入の啓発チラシを宇治山田駅で配布を行うなど、協会としても地域に根差した活動に尽力している。
今後も三井住友海上の支店長、日本損害保険協会三重県会長の2つの立場から保険業に向き合い、事故や災害に強い三重県を実現したいと意欲を語った。
■昭和44年愛知県生まれ、関西学院大学卒業後、平成4年に三井住友海上火災保険(旧三井海上)へ入社、営業一筋で静岡、新潟、名古屋、群馬、大阪など多くの地域で業務を経験した後三重へ。
今年4月に三井住友海上火災三重支店長に就任、同6月、日本損害保険協会三重県会長に就任