▼国会を騒がしている文書通信交通滞在費（文通費）の風力がどれほどかは分からぬが、追及の最前線に立っていた日本維新の会の副代表、吉村洋文大阪府知事も衆議院議員辞職の際、１日だけの在任で満額を受け取っていたことが分かり、風向きもにわかに心もとなくなってきた
▼改善は文通費だけでなく政務活動費（政活費）にも踏み込むべきだという一部主張に対し、維新の会代表の松井一郎大阪市長は「領収書のいらない経費も必要だということを理解してほしい」。津市議会の最大会派が疑惑の使途の政活費について、全額返還で幕引きを図りそうなのも、納得するのが市民の分別というものかもしれない
▼疑惑を招いた会長の福田慶一市議が会派を離脱した後を受けた村主英明代表はどう考えるか。問題の調査を委託した業者が「成果物に不備があった」として委託料を返還してきたことに対し「なぜ返すのか理由が判然とせず、説明もしてもらえない」。不満はありありだが、その矛先はどこなのか
▼業者か、元会派代表か、経理責任者か。三者はそれぞれ「調査箇所の記憶が曖昧。調査票は破棄した」「誤記などのケアレスミス。業者を信用していた」「県議経験のあるベテランの代表なのでちゃんとしていると思っていた」。村主代表も、先の謝罪会見では業者から返還する委託料を市に返す段取りを話していた。業者の不明瞭な説明に不信感を述べていただけだったが、今回は返還自体を疑問視している
▼どこへぶつけていいか分からぬいら立ちをそのままはき出しているようで、浴びる市民はたまらない。