▼津市の国道23号、上浜二丁目の交差点で数カ月前の日中、横断歩道を渡っていたら右折車が急接近してきて慌てて飛んで避け、車は車体を揺らしてブレーキをかけ、すぐに走り去った。あ然としてしばし見送った
▼横断歩道前の車の一時停止状況を今月調査した県警によると、停止率は前年比9・5%増の45・8%だった。日本自動車連盟(JAF)の調査で全国最下位だった3年前の3・4%。ワースト3位だった4年前の1・4%に比べ大幅な改善。先月のJAFの調査も47・0%で全国平均をも上回った
▼「徐々に改善しているが、2台に1台は止まってくれていない。すべての車が止まってもらえるよう引き続き取り締まりや啓発活動をしていく」と県警交通企画課。その言葉が身にしみる上浜二丁目交差点での体験だった。40%以上の改善も、残り50%に遭遇した歩行者には何の意味もない
▼県警の調査は、私服警官らが各横断歩道の手前で直立し、車を見ている状態で停止するかどうかで確認した。2年前は歩行者が車の通過を待っていると見てむしろスピードをあげた車も、今はほとんどがブレーキを踏むのは体験的に実感しているが、横断歩道を一時停止標識と見立てて徐行するのとは違う感じがする
▼右折車が大急ぎで横断歩道を横切って行くのとどこか共通する感覚といえよう。人を見てブレーキを踏むのは当然だが、安全には二重、三重の備えが必要。調査も、人を確認して停止しているかを見るだけでなく、横断歩道で徐行しているかにまで踏み込んで、結果を安全指導、教育に生かしてもらいたい。