▼津市の特定自治会長問題を調査した市の報告書に、同自治会長が指摘する市政の問題点には一部に正当なものがあったため退けられなくなったという趣旨の経過があった。なるほど、こういうことがそれかいと実感したのが市議会の政務活動費を巡るずさんな処理だ
▼同会長に謝罪経験のある福田慶一市議が当事者というのは偶然か。代表を務めていた会派のアンケート調査で不自然な点が見つかり「誤記や転記ミスなどのケアレスミス」「(毎年委託している調査会社なので)信用していた。チェックが甘かった」と説明したものの、会派を離脱した
▼会派の経理責任者は「県議の経験があるベテランで、ちゃんとしていると思っていた」。調査会社は、会派からの問い合わせに「(本年度分の)調査票は破棄した」。6カ所で実施したというアンケートの調査箇所については「記憶が曖昧」
▼国会では、やはり〝第2の財布〟などとされる文書通信交通滞在費の不透明さを新議員が問題視したら、各党が改正法案を競い出した。滑稽な光景だが、政務活動費については、兵庫県議の号泣会見で注目され、富山県議会・同市議会議員らの相次ぐ不正発覚で、全国的に是正を迫られた
▼それから5年間続いていた津市議会会派の問題活用である。「チェックが甘かった」のはアンケートか、政活費そのものか。元自治会長問題では、不当要求に対応する条例案を発表
▼「また自らにかかってくるなと気を引き締めている」と前葉泰幸市長。少し前にできていたらただでは済まなかったと、ひやりとした首筋をなでている心境か。