▼津市広報紙最新号(11月1日号)の市長コラムで自治会問題が取り上げられていた。前回9月1日号は『公正公平な市政』、今回は『組織の力を取り戻す』。コラムの性格上、前葉泰幸市長自身の行政運営について我田引水、というより、長所を示し、短所を素通りするきらいがあるのは仕方ない
▼津地裁で補助金詐欺を認める判決が出て、職員155人の大量処分を終えたことで、一応の区切りとしたいのかもしれない。補助金4件は詐欺とされ、被害弁済は済んでいるが、それ以外の補助金、委託料の返還を民事で求めたいという。全容は明らかになっていないというわけだ
▼職員の大量処分は行政制度の仕組みや不備につけ入れられたからであり、申請書類が整備されていたことで現制度上「実態を見抜くことはできません」。補助金交付決定とほぼ同時に金額が支払われるという異例な取り扱いの説明になっているか。他の自治会に比べダントツに補助金申請が多いのはなぜか
▼議会百条委員会が証人として出席を求めた職員に対し、前葉市長は守秘義務に触れる場合は任命権者の承認が必要だと注文をつけ、民事訴訟規則などを持ち出して質問内容の詳細を求め、一部証言を拒否させている。理由は必ずしも明確でない
▼「日本の民主的変革の基本原理」として憲法が公布されたのは昭和21年11月。同22年4月、地方自治法が公布されて、憲法と同じ日の5月3日、施行された。憲法に並ぶ「地方の憲法」と片山善博早大政治経済学術院教授。民事訴訟規則などで制約しようとする制度ではない。