▼鈴鹿市男女共同参画審議会が、女性のいない審議会などの解消と行政関係の各種申請書などの性別記載についての検討を求めた。いずれも、まだあるということだろう
▼同審議会の委員は10人。会長は男性だが、委員の6人が女性。女性のいない審議会の解消は胸を張って求められようが、市ホームページに記載された審議会委員名簿には性別欄があり、男か女かが漏れなく書かれている。性別記載について、腰が引けて見えるのはそのせいか
▼男女共同参画審議会は、むろん女性の地位向上を主な目的に設置された。男性優位社会の打破。すなわち被差別側にいる女性の救済活動していたのが、性の多様性が問われる時代になって居心地が悪くなったのかもしれない
▼男子が先で女子が後という掲載順の男女別出席簿が男性優位社会の刷り込みになるとして、学校現場に男女混合名簿が登場したのが平成2年ごろ。効率が悪いなどとしていまだに普及が進まない中で、厚生労働省は今年4月、履歴書などの性別欄から男女の選択肢をなくし、記載も任意とする様式例を示した。記入に苦悩する性少数者が多いことに配慮したもので、何らかの形で採用している自治体は多い
▼「男女共同参画」という名称自体、すべての国民が平等に社会に寄与することを表す言葉ではなくなりつつある。鈴鹿市の審議会も、性の多様性を指摘した上で「行政関係の各種申請等に性別を記載することについて、それが必要かどうかを検討していただきたい」
▼「当審議会が言うのもおこがましいが」「遅ればせながら」の言葉が透けて見える。