2021年9月21日(火)

▼ヒヤリ・ハットは、労働の現場でヒヤリとしたり、ハッとした経験のことで、一般的に知られるのは車の安全運転に関する事例。自動車安全運転センターがドライバー2600人を対象にした調査で、1位が前方の車への追突の恐れで2位が人や自転車の飛び出し

▼個人的には自転車の飛び出しが一番怖い。先日も、横断歩道前で徐行を始めたら、右後方から来たとみられる自転車が目の前の横断歩道を高速で横切り、冷や汗をかいた。横断歩道は押して渡るのがルールのはずだが、小学生低学年でたまに見かける程度。前方注意だけで事故を防げるか、しばし考えさせられた

▼東員町の信号のある県道交差点で横断歩道を渡ろうとしていた自転車が車にはねられ、男子児童が重体という。「渡っている」ではなく「渡ろうとしている」ところだったのか。運転手が過失運転致傷容疑で逮捕され、容疑を認めているという。安全確認に重大な過失があったのだろうが、それはそれとして、先のヒヤリ体験を思い出し、ぞっとした

▼伊賀市の国道でも64歳の自転車の男性がひき逃げで重傷を負った。追い越そうとした車に接触されたらしい。自転車の速度は予測しにくく、あっという間に視界に入ってくる。ヒヤリ・ハット体験のないドライバーはいないだろうが、安全に生かされているか

▼重い事故一件の背後に約30回の軽い事故があり、300回のヒヤリ・ハット体験がある、というのがハインリッヒの法則。横断歩道前で自転車を降りる人をほとんどみかけないことに、安全教育というものを改めて考えてみたくなる。