2021年9月1日(水)

▼医療従事者のワクチン接種が始まったころ、県からの搬入予定が変更に次ぐ変更で、ついに電話での問い合わせに応じなくなった。事情は改善しているか。亀山市が25歳以上の接種が順調と報じられる半面、熊野市は県の基本分配計画で30日から10月10日のワクチン供給がなくなるという

▼妊婦らの優先接種会場を開設する津市にしても、前葉泰幸市長は3日「ワクチンの供給が十分でないため、これ以上予約枠を拡大できない」として県が7月末で閉鎖した県独自の大規模接種会場の再開設を要請した。供給体制は十分とする鈴木英敬知事の言葉ほどではない

▼熊野市は全接種対象者の約76%が2回の接種を終えたが、12―15歳は約21%。河上敢二市長は「この年代への感染が増えている状況を踏まえると、非常に心配」。分散登校や遠隔授業で学校の感染対策を取るとしているが、拡散の感染経路としてこの世代を指摘する向きもある

▼全年代のマスク着用が常態化している中で、強いて着用していない層と言えば、集団時の中高生世代。接触も会話も活発。最近のクラスター(感染者集団)はこの傾向を示している。施設や社会的弱者の対策は当然だが、活動範囲の広い若者への接種促進が感染拡大の根本対策と言えなくもない

▼津市の妊婦ら対象の集団接種会場開設は、千葉県柏市で自宅で出産した男児が死亡したことに伴い、国や県から要請というが、事件は妊婦の入院先が見つからなかったことが原因で、ワクチン接種は次善の策。県も増える自宅待機を「入院調整中」と位置づける時期は過ぎている。