▼新型コロナの感染者が2日連続100人を超え、しかも、増加傾向。鈴木英敬知事は「知事不在」期間が生じないように知事選投開票日まで知事職を務めるという。感染拡大対策ばかりを考えているわけでないことがはっきりした今、この急拡大の中をあと1カ月、県政を率いることが県民にとって果たしてプラスかどうか
▼持ち前の明るさ、口の軽さが、こうなるとマイナスに作用しているようでもある。対策の目玉は5度目の飲食店への時短要請だが、決定の前日に「飲食由来の感染は多くはないが、人流と接触を低減する観点から実施する」と述べた。だしに使われたようで、飲食店としてはいい気はしまい
▼県民の緊張感を高めるアナウンス効果も大きく損う。「人流や接触の機会を少しでも減らすため」と手品の種を明かすのも、期待は副次的効果でしかないことをさらけ出している。「早く収まるよう協力してもらいたい」。効果につながらない協力ほどむなしいものはない
▼8日から受け付けた宿泊施設の利用料金を割り引く「みえ得トラベルクーポン」の発行を、12日から一時停止した。土産物店や飲食店で利用できる「地域応援クーポン」も。2月の緊急警戒宣言の時も解除してすぐ発行したが、期間中の3月末にかけて感染者は明らかに増加した。昨年のGOTOトラベルの結果は周知の通り
▼今回も急増の兆しの7月末を見ての発行。防止策が自粛頼りのまま人流や接触機会増の施策を繰り返す。特別な状況判断や狙いがないこともはっきりした。多くを期待できない人が君臨しているのも困る気はする。