▼「東京五輪開催前にはネットの開催反対に署名したのだが」と知人からメール。「始まったらテレビの前でガッツリ応援」。NHK中継がくるくる局を変え、目を離すと画面が変わっているので、大慌てでチャンネルを合わせているそうだ
▼五輪熱の中心にある首都圏で、新型コロナウイルスの新規感染者が過去最高を更新したのもうなずける。県でまた、37人という今月に入って最多を記録した。全国の感染者が最多になったことと、むろん無縁ではあるまい
▼鈴木英敬知事は「デルタが増えていることに危機感を覚える一方、アルファ株に比べて感染の広がりが低い」。「直ちに措置を講じる状況ではないが、警戒感を高めてもらいたい」とも。危機感を持つべきなのか、それほどでもないのか。すぐの措置は必要がないことと、警戒感を高めるとととは別のことなのか
▼相変わらず、何を言っているのかはっきりしない。横に、何とも晴れやかな、屈託のない笑顔の知事の写真が並ぶ。こちらは次期衆院選対応についてのやりとりの記事に添えられた。熟慮を重ねているとして知事3選出馬前を思わせ、緊張感をそぐことおびただしい
▼笑顔を浮かべる時の知事の脳裏に、感染増の危機感はどういう位置づけになっているのだろうか。先の県議会で、出馬問題を問われ「(知事として)職責を果たす考えに変わりはない。引き続き諸課題の対応に全力を尽くす」
▼「諸課題」に国政転出も入っているのか。少なくとも感染拡大の兆しを前に県政の最高責任者として、自身の振る舞いに全力をあげているようではない。