伊勢新聞

2021年7月28日(水)

▼菰野町の会社役員宅で計約1100万円相当の高級腕時計など、同町のタクシー会社で現金約37万円と小切手帳1冊を盗んで住居侵入と窃盗の罪に問われた23歳の元巡査が津地裁の初公判で起訴内容を認めた。余罪もあるらしい。借金返済に困ったが、職場での発覚を恐れて自己破産を諦め、過去に捜査で訪れた住宅に狙いを定めたという。目端が利くんだか、浅はかなのか

▼昨年1月にやはり住宅侵入、窃盗罪で有罪判決を受けた21歳の元巡査は住居侵入したものの室内を物色しただけ。現金を盗んだのは勤務先の警察署内で会計係の机の中から5万5千円。同じく刑事課署員のバッグから3万円

▼比べると効率よく、計画性を感じさせる。警察官の犯罪としてはこの程度のことはやってほしいと言っては不謹慎だが、それにしても公務員の犯罪が目につく。教職員の児童生徒に対するわいせつ行為や交通事故は年中行事の感がある

▼22日も公立学校や教育委員会などの職員が加入する公立学校共済組合の組合員証を所持する46歳の男性が10歳未満の女児のスカートの中を撮影したとして現行犯逮捕された。前日は、住宅内に侵入して脱衣所と浴室を盗撮したとして医師が逮捕。勤務先は県立病院とする一部報道もあったが、県にいまのところ動きがない。本人は容疑を認めているから、少し不思議な気がする

▼警察が窃盗、教職員や医師がわいせつや盗撮をそれぞれ繰り返すというのでは、中にはおかしなやつもいる、では済まない。行政構造の違いが、全体の深刻さを見えにくくしているのではないか。