2021年7月5日(月)

▼鈴木英敬知事が次期衆院選へ三重4区から出馬する意向を固めたという一部報道に対する緊急記者会見なるものは「そのような事実はない」と否定することが目的なのだろうが、「現時点」という言葉が多用され、すっきりしない。消化不良の思いだけが残った。報道もメディアごとにかなりの違いがある。知事の釈明をどう解釈したかの違いだろう

▼例えば「出馬は別にして自民党関係者と非公式に意見交換をしたことはある」のくだり。自民党関係者とは誰か、「非公式」と「公式」の違いは何か。そして、意見交換は、出馬すると決まったわけではないにしろ、内容は出馬に関してだったと言っているのか

▼大昔、その当時の鈴鹿市長の親族が経営する企業が県の指名停止処分を受け、国から招いた副市長が期間短縮を県に頼みに来たことがある。情報を入手した時には国に帰還していて、訪ねて「期間短縮を県に陳情に行ったか」を聞いたら「行っていない」と言って「そもそも陳情とは」と説明しだしたのには閉口した

▼「現時点で打診はない」という否定でも「現時点の意味」や「打診」という言葉について、長時間解説する用意があるのかもしれない。超党派の県内政界関係者らが国交省元キャリアで県出身者を次期知事に擁立すると、実名をあげて明かしているらしいのにも驚く。鈴木知事の追い出しにかかっているということか

▼まことに政治家というのはえげつない。出馬表明を急いだ方が負けというジンクスがかつて県にあった。知っている人は政界でも少ないか。川崎二郎氏引退。時代の歯車は回る。