伊勢新聞

2021年5月19日(水)

▼県議会正副議長選の所信表明会で、議長に立候補した青木謙順議員(自民党県議団、5期、津市選出)が詐欺容疑で逮捕された元自治会長の親族の結婚式に出席していたとされることに関連してそれ以前の関係を問われ「一点の曇りもない」と強調した

▼理由は「(元自治会長の息子が所属していた)バスケットの競技でも顔を合わせているが、それほど親しくはない」。晴天を思わせるほどの説明かどうかは各論があろう。元自治会長と関係のあるとされるスナックの女性経営者にバレンタインデーの返礼品として菓子をプレゼントした津市の前葉泰幸市長は、元自治会長本人との関係については「行事で会ったことはある。千人くらいいる自治会長の中の一人で、特に印象はない」。似ている気はする

▼前葉市長は元自治会長と市との不適切関係の「物的証拠」として元職員のPCを示し「ここまで職務外で手助けをしていたのかと驚いている」。また「市役所がだまされて市民に申し訳ない」のコメントも出したが、市職員らは「増長した原因は市長ら幹部の責任」「市長は散々見て見ぬふりを続けながら被害者面にあきれた」

▼元自治会長については県職員も犬のふんの苦情に〝毅然とした対応〟をしたことで謝罪させられている。津市選出県議として5期。一連の振る舞いをを知らなかったとしたら心もとないというだけではすまぬのではないか

▼「一点の曇りもない」とは当事者との個人的な関係ばかりではない。見て見ぬふりはもちろん、知らなかったことも一点の曇り程度にはなるのが公人というものだろう。