2021年5月16日(日)

▼校外練習に参加できない県立高野球部員に「首絞めたろか」と暴言を吐いた硬式野球部監督について、県教委教職員課は「体罰を示唆するような発言」。暴言は体罰ではないらしい

▼「体罰」について文部科学省は「肉体的苦痛を与えるような懲戒」としながらも、学校教育法は「ただし、体罰を加えることはできない」。懲戒だが、やってはいけないということか。わかりにくい定義ではある。よく似た「いじめ」は児童生徒間での「心理的又は物理的な影響を与える行為」

▼新型コロナウイルス感染症の検査を受けた生徒に「おまえが来たでマスクするわ」と発言した県立高の40代教諭の場合、生徒の心に大きな苦痛を与えたとしても物理的力を加えていないから体罰に当たらない。教師と児童生徒間なのでいじめでもない。「差別的発言」と言われた

▼実質どれほどの違いがあるか。被害者の側からすれば変わりない気がする。「体罰を示唆する発言」は体罰一歩手前というわけで「不適切な指導」に当たる。「人格を否定するような暴言」や「大きな声や威圧的な態度」がそうで、「無視やいやがらせ」というのもあるからいじめとの区別はつきにくい

▼野球部監督の30代男性教諭は「土下座するようなことだぞ」とも言ったという。自治会長ならずとも問題なのは明らか。「以前から指導の態度が威圧的だった」そうだから、放置してきた県教委、学校の管理能力の問題か。物理的力より暴言など心理的圧迫の方が児童に深い傷を残すというのが最近のいじめの分析である

▼教諭を特別扱いにしていいわけがない。