2021年4月30日(金)

▼病院に隣接する薬局職員の新型コロナウイルスのワクチン接種が今月末から来月7―8日にかけてに決まった。副反応に備え、段階的に実施するという

▼もともと5月中旬の予定と知らされたが、それっきり連絡がない。県に問い合わせると、白紙になりましたの返事で以後なしのつぶて。隣接病院に余りが出て急きょ実施となった。防護服などを装着して患者に接する医者や看護師の大変さは分かるが、その患者らが解放感漂わせ薬局を訪れる。怖い日常の中で一安心である

▼高齢者へ接種希望通知が市から届いたのは3月。連絡すると受け付けは5月になるというのでキツネにつままれた気がした。理由が分かったのは津市の広報紙5月1日号の「市長コラム」でだ。昨年12月の厚生労働省の説明で、高齢者接種は3月中旬。年度内の体制確保を求められたという。2月1日に高齢者施設の接種を発表したが、ワクチン輸入の遅れで国の担当者の歯切れが「会議を重ねるごとに悪くなり」相次ぐ問い合わせに答えられなくなった

▼4月の配達が決まったのが3月以降。市町の配分は県に委ねられ、津市は4月5日の第1陣の2箱のうち1箱が割り振られた。「5月の連休明けから供給が潤沢になる」という。市も県も国も、役所はどこも同じだなあと、つくづく思わされた

▼4月の第1陣で、鈴木英敬知事は市町の接種に「県もしっかりサポートしていきたい」。サポートが欲しかったのはもっと前だったのではないか。前葉泰幸津市長もコラムでワクチンてんまつ記を書いたのは、市民の最も知りたい時ではなかった。