2021年4月22日(水)

▼「三重・愛知両県と向き合い、一体となって進められる機運がようやく出て来た」―四選を果たした木曽岬町の加藤隆町長のあいさつは愛知の存在を強く意識し、他の市町ではあまり聞かない気風が漂う。昭和の大合併で越県合併問題に揺れ、木曽岬干拓地の県境、町境問題で割り切れぬ思いをした。最前線をつぶさに見てきた人ならではの視点でもあろう

▼「小さくても一つになれた町の元気、明るさがなくなってしまった」というのはコロナ禍のためで、その前は元気、明るさがあふれていたということだろう。三年前は町制施行30周年を祝っている。町制に移行した時の熱意がよみがえる

▼条件緩和で、当時適合したのは伊勢市と合併する前の旧御薗村と二つ。しかし、御薗村は村制継続の意向が強く、足並みがそろわない中で、県議会で木曽岬村の早期町制施行を訴えたのは確か度会郡選出の県議だった。「地元議員としてはなかなか言いづらいんだ」と桑名郡選出の県議が言っていた

▼20日の県議会全員協議会で、議員定数と選挙区の正副議長案に対するパブリックコメントの結果が議論され、焦点の一つ、鳥羽市選挙区の伊勢市同との合区案について、三重郡選出の舘直人議員が「志摩市選挙区と合区すべき」と主張したという。合区はいいが、相手が悪いということか

▼はるか離れた三重郡からの反対論は「地元議員としては言いづらい」という同僚議員がいたのかもしれない。鳥羽市選出議員は伊勢市との合区に賛成という。近くて遠きはなんとやら。遠くて近きはともいうか。何の関係もない例えだが。