伊勢新聞

2021年4月3日(土)

▼いつごろからか、太平洋・島サミットに関する県の対応が妙に歯切れが悪くなった。日程がなかなか決まらないのはともかく、その話題に対して避ける気配が見られた

▼新年度が始まった1日恒例の鈴木英敬知事訓示。「いよいよ県政の真価が問われる年度」と呼びかけ、コロナ禍への対応、三重とこわか国体・大会の「オール県庁」での取り組みを求め、肝いりのデジタル推進局業務開始のキックオフイベントがあった。この日政府発表となった島サミットの志摩市開催断念を思わせる動きはない

▼知事は緊急会見を開いた。「やむを得ずテレビ会議と決めたと受け止めている。この判断を尊重したい」。当初予算に関連費を計上していたが万事、理性的だ。先月26日の定例会見では「直近、外務省ともかなり精力的に議論」「一定年度内に整理をつけなければならない」。心なしか、ゆとりがある

▼「どういう時期にやるか、どういう開催方法にするか」とも。意味不明だったが、テレビ会議形式になった今にして、思い当たる。3年後の次回会議誘致の考えを示し、自身が次期代表となる「太平洋島嶼国・日本地方自治体ネットワーク会議」を年度内に県内で開くという。手際も、いい

▼知らぬは政府発表の日時だけということか。先の定例会見で島サミットが取り上げられたのは国政進出を問われた直後。議会答弁と同じとし「現時点で変わることはない」「現時点においては任期を全うするべく努力」「今申し上げたように現時点においてはとにかく」。「現時点」が3回。今にして思えば、という日がくるか。