伊勢新聞

2021年3月30日(火)

▼「あの(中央政界)中にいると解散風というのは何となく分かってくるもので、また、それが分からなければあそこでは生き残れない」と言ったのは知事就任後間もなくの北川正恭氏である。いま、にわかに五輪前解散説が流れる中、自民党県連の三ツ矢憲生会長は「たぶん秋になる」

▼20日の立憲民主党県連常任幹事会後の記者会見で、岡田克也顧問は「常在戦場」。自身常に選挙に備え、同僚議員らにも説く。与野党問わずでもあろう。特に自民党は〝緩み〟を警戒し、引き締めを図ることが多いかった。三ツ矢会長の「たぶん秋」は逆行の感があり、任期満了前に求心力を失いたくない菅義偉首相の思惑など歯牙にもかけぬと言わんばかりの鼻息だ

▼まさか、野党を油断させる方便ではあるまいが、岡田顧問は「菅首相にとって最も有利な時期で、野党にとってはしてほしくない時期にあるというのが衆院選の心構え」と観測した。五輪前に首相の有利な時期が来るかどうかは疑問だが、野党にとってはしてほしくない時期であるのではないか。国民民主党県連の27日の役員会と支援労組との意見交換会で、立憲民主党の立候補予定者から出されている推薦依頼を承認することができなかった

▼立民県連は先の常任幹事会で連合三重の推薦を受けたことを明らかにしたが、国民県連の金森正代表は「私どもの組織の主たる部分は産別労組。そこの気持ちも十分くみしていかなければ」。立民と共産党との4区での調整も、道遠しを思わせる

▼五輪前に無理しなくても―三ツ矢会長の余裕ではあったのかもしれない。