伊勢新聞

2021年3月26日(金)

▼2週間前に教え子にわいせつ行為をした県立高教諭を免職処分にしたばかりの県教委がまた処分することになった。木平芳定教育長は「これまでの県教委の取り組みが一過性に終わっていないか、各学校で継続的に生かせているかというところに大きな課題があると認識した」

▼浜のまさごは尽きるとも―尽きぬ教職員のわいせつ行為の課題が分かったのはめでたい。課題とは取り組みが一過性に終わっていたことだというのはもってのほかのこととして古来、好色三大職業の一角にあげられる歴史ある教員のわいせつ行為の理由が同質集団の中で分かるものだろうか

▼2週間前は犯行態様を明かさなかったが、今回は胸をさすり耳をかむなどと具体的に示した。一貫性のないことだが2年前、鈴鹿市PTA連合会会長がスクールセクハラが公表されないことに警鐘を鳴らしたことがある

▼小3女児に抱きつき、ささやく60代教諭に仰天した保護者に市教委は「公表すると被害生徒がいじめにあう」「バレたら当人の成長に関わる」「3学期ですぐ退職だから」。同僚記者には家庭環境に問題があることもにおわせた。セクハラアンケートをするとも言ったが、結果は不明

▼木平教育長の説明と重ならないか。問題教諭は「自分を慕ってくれる生徒がかわいく思えて欲求を抑えられなかった」と言っているという。欲求を抑えられなかったのはかわいくてではない。抵抗されずやり遂げられる確信があったからだ

▼弱い立場の人間には少々のことも許される。セクハラ、パワハラ、アカハラに共通する〝認識〟がそこにある。