2021年3月4日(木)

▼意見交換とアンケート調査とで正反対の結果が出た。桑員河川漁協組合長の「協力金」名目の恐喝未遂事件に絡み県が重い腰をあげた実態調査で、県建設業協会会員108社と顔を合わせた意見交換では被害の実態がほとんど浮かばず、協会外の業者へのアンケート調査では、回答19社中の18社が深刻な被害を告白した

▼協会員との意見交換は昨年11月。真弓明光県土整備部理事は「忌憚のない意見を伺えた」とした上で「協力金の廃止や、それより下請や資材購入要求が厳しいとか、協力金は納得した金額を払っている。地域や支部内で異なる」

▼その翌月からのアンケート調査では「18社が定率で協力金を支払っていた。県に相談した8社から『知らないふりをされた』『受注者で対応するよう言われた』」。予測通りではあった。稲森稔尚県議は協会員の調査結果について「県を信頼していないのではないか。県に声を上げると、今後の工事で自分たちが不利になる」などの声を聞くとして匿名の調査を提言していた。案の定、の結果である

▼何十年にもわたり「知らないふり」をしてきた問題だ。平成11年には県土整備部と農林水産部が「協力金問題」の基本方針を制定。協議会を開催して調整すると定めたが、一度も開かれていない

▼鈴木英敬知事が「県民の信頼を損なう事案で重く受け止め、深く反省している」。今度は本物か。知事がかわったらどうなるか。業者は半信半疑で見守っているに違いない。「先輩の姿を見て若い人にまん延しないように」と稲森県議が、とりあえずの対策を求めていた。