2021年2月17日(水)

▼自治会のごみ箱や掲示板設置に伴う補助金を詐取されたとして津市が告訴した問題で、前葉泰幸市長が誰を告訴したかを明らかにしなかったことが分かる気がする。想定を上回る職員の癒着ぶりで、法的には市長と同一人格とみなされる副市長までプレーヤーの一人として登場してきた。先の見える市長としては、自分が関係ないことを明確にしておきたかったのだろう

▼議会百条委員会の審査では、自治会長から市職員に現金を渡す際の立会人のようなことを市幹部がしていたらしい。職員の良心をマヒさせ、自治会長に弱みをにぎらせる手助けの役割か。ひと昔前の県庁を見る思いもするが、さすがに現金の授受は知らない。見聞したのは〝たかりの構造〟までで、今はそれも姿を消したに違いない

▼自治会長に関連するスナックへ職員が通うのを副市長が誘導していたというのもおもしろい。「当時はよかれと思って」という。行政を円滑に進めることになるからということだろう。県でも、かつては議会重鎮らが関わる飲食店に幹部職員が打ち合わせ名目で始終呼び出された

▼目の玉が飛び出るほど高かった。議員がしばしばゴルフ道具を新調する。「パターの一本分は自分が出していると恨めしかった」と語っていたが、裏金づくりがはびこる素地ともなった。津市議会の議長就任で、自治会長にお礼の現金を贈るよう助言した議員もいたというから、市民には分からぬ理屈だ

▼旧久居市議会での議長就任時に先輩議員にアドバイスされたことを伝えたのだそうだ。雀百まで踊り忘れずか。時代錯誤の世の中である。