▼15、6年前退職した県職員OBが最近、かつて同僚だった現職と会う機会があり、昔話に花を咲かせた中で職員気質へ話題がおよんだ。OBが現役のころは5人のうち4人は昇進へ意欲満々だったが、今は逆転して3、4人からそんな気配は感じないと言われたそうだ
▼新年度の県人事を占う恒例の本紙『まる見えリポート―県庁は人事の季節』で「副部長らを眺め回してみても、一部を除きあまりこれといった人材はいない」(県幹部)。自身の立場が上がるにつれて見方も違ってくるが、雇用経済部長ら重要2ポストを国に依存したのは、鈴木英敬知事の国政対策ばかりではなかったらしい
▼「競い合っていた記憶はある」と先の県OB。「そんな気持ちがなくなっても、公務員は降格や減給などはできないから困った存在になる」
▼それを防ぐのが人事政策でもあるが、新年度で最も関心の高い副知事選任に「サプライズ感はなし」という。総務部長人事もレールが鉄壁に敷かれ、県土整備部など技術系集団のお株を奪うほどとも。順送り人事が徹底し、高齢化、硬直化しているということだろう
▼懲戒処分指針の改定、コンプライアンス宣言など、不祥事や事務処理ミスの再発防止策を次々に打ち出さざるを得ないこととも関係するのかもしれない
▼女性幹部名が昇進ポストにあがってこないのもこの数年、珍しい。河口瑞子雇用経済部観光局長、湯浅真子議会事務局長が退職し、女性登用のサプライズ人事も幕が下りたということか。総選挙確実の年。知事がどんな人事をするのかは去就とともに見ものではある。